Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

そもそもわたくしがこのような運命に立至りました最初の……」

「これこれ、まだ貴様の身性を調べたわけではないのだ――連れはあるのか、ないのか」

「はい、連れと申しまするのは一人もございません。一緒に連れて行ってもらいたいと申したものはございましたが、思案をいたしてみますると、独り生れ、独り死に、独り去り、独り来るというのが、本来出家の道でございまして、ましてこの通り不具の身ではありますし、われひと共に迷惑のほどを慮りました事ゆえに、わたくしは誰にも挨拶なしに、こっそりと抜け出して参りました。あの竹生島へ渡りますには、大津から十八里、彦根から六里、この長浜からは三里と承りました、このいちばん近い長浜の地から出立させていただくことも、本望の一つなのでございます……そもそも私がこのたび、近江の国の土を踏みまして、琵琶の湖水を竹生島へ渡ろうと思い立ちました念願と申しまするは……」

「いいから行け! 行け!」

足軽はついに匙ではなく棒を投げてしまいました。つべこべとよく喋る坊主で、黙って聞いていれば際限がなかりそうだし、そうかといって、咎め立てをして拘留処分を食わすには余りに痛々しいものがある。