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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、この不意のお手入れには――どうも指した奴がある。密告をした奴がある。味方に裏切りをした奴か、そうでなければ、道庵方の伏勢のために乗ぜられたのではないか、という疑心が増長してみると、

「そうだ、道庵の相棒にお角という食えない奴がいる、あいつが大津の方へ向けて先発していた! それを忘れていたのが我等の抜かり――道庵の尻抜けは怖るるに足らず、お角の腕は凄い。こりゃてっきりお角が指したのだ、お角の方寸で我々をその筋へ密告したのに違えあるめえ――そうだ、道庵は袋の鼠、お角こそ大伴の黒主、あいつが万事糸をひいている」

そこで、この一まきは、釈放されるや否や、血眼で大津方面へ飛んで返り、お角の根拠をついたが、そのお角は一足先に遊山舟であの通り、湖面遥かに浮んでしまった。そこでこちらは岸に立って足ずり――という段取りであったことがあとでわかりました。

しかし、この連中、一度は足ずりをして残念がったけれども、やがて談合が調うと、二はいの船を買い切って船装いをすると共に、これに分乗して、あわただしく湖中へ向けて乗り出したのは、果してお角の船を追いかけるつもりか、或いはなお身辺の危険を慮って避難するつもりか、その挙動だけを以てしては、真意のほどはわかりませんでした。