Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
で、それからお前は何と返事をしました」
「それからでございます、私も、何と御返事を申し上げてよろしいかわからないでおりますと、旦那様がわたくしを、もっと傍へ寄れとおっしゃって、それからでございます、お内儀さん、お気にかけられては私が困りますが……」
「何の気にかけるものか、お前の言うことは即ち主人の言うことと、さっきからあれほど言っているではありませんか」
「では申し上げてしまいますが、その時に旦那様が、わたしの耳へ口をつけるようにしておっしゃいましたのは、今いう通りの次第で、親類身寄りというも、あとを托するほどの心当りはないのだから、お前にひとつ、迷惑でも、一切わたしに成り代って、この後のあの家を見てもらいたい、身代も、商売も、引きついでもらえまいか、それについて、お前には気の毒だが、あのわしの女房も、子供こそ二人あるが、まだ老いたりという年ではなし、お前が……」
「まあ」
「お内儀さん、旦那様がそうおっしゃいました、お前、年に少し不足はあろうけれども、いっそあれと一緒になってくれないか、そうしてもらえば、家も、商売も、女房にも、みんな安心してあとへ残して、行くところへ行けるのだが、とこうおっしゃって、息をお引取りになりました」