Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
その有様を見ていると、今は二人の客だけれども、これからなお我々と椅子を並べて、他に八人の者が同時にここで食事をするような仕組みになっているらしい。といって神尾は誰も人を招いた覚えはない。だが、それを聞きただして咎め立てをすべき理由もないので、例の苦りきって見ていると、そのとき金助は、席を主膳の直ぐ隣りへ移して、給仕の持って来た銀製のおしゃもじのようなものや、耳かきの大きいようなのを、ちょいちょいあしらいながら、主膳の耳もとへ低い声で、
「殿様、これから洋式のお食事がはじまります、あちらではこうして、他人同士がみんな並んで食べるのが礼式なんでげす。食事の召上り方、このお玉杓子の小ぶりなやつ、これをこうあしらって口中へ運ぶのでげすが、そこは拙が一通り心得ていやすから、失礼ながら殿様には、拙の為すところを見よう見真似に遊ばしませ。食事を為す時に音を立てないのが礼儀でございます。只今これなる椅子へそれぞれ客人が着席を致しまする、その客人のうちには眼色毛色の変ったのばかりではなく、日本人でもずいぶん鼻持ちのならぬ奴が現われるかも知れませんが、そこは見学のことでございますから御辛抱あそばせ。