Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

シルク、シルクと、シルクが今日の座持のような売れ方だ、いったいシルクというのは何のことだ、おもシルクも無え! と神尾はいよいよ不機嫌で、隣りの金助改めびた公に呼びかけました、

「びた、シルク、シルクというが、いったいシルクとは何のことだ」

その時、びた公が得たり賢しというような表情をして、フォークを左にさし置き、

「でげすな、シルクてえのは、只今それお話の、お白様の口からお出ましになって、願わくは軽羅となって細腰につかん、とおいでなさるあの一件なんでげす」

「何だ、それは」

「あの蚕の口から出まする糸、それを座繰にかけて繰り出しましてから、島田に結わせて、世間様へお目見得を致させまする、あれは通常、生糸と申しましてな」

「生糸のことを聞いてるんじゃない、シルクとは何だと聞いているのだ」

「それなんでげす、話の順序でげしてな、その生糸をすっかり繰り上げましたのが、それがすなわち絹糸なんでございます」

「そんなことは、貴様に聞かなくても大よそ心得ている」

「まあ落着いておしまいまでお聞きあそばせ、その絹糸のことを洋語で申しまするてえと、すなわちシルクてなことになるんでございます」