Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
という部分の広大な地所内を、お銀様が我物顔に、この驕慢な歩みぶりを以てみれば、この辺一帯の地は、まさしくこの人の所有権内にうつり、そうしてお城あとの中の「江北殿」と呼ばれている部分の修補と復興が、これから女王の宮殿となり、新理想境の本山となろうとするものであるらしい。
そこへ、ひょっこりと、奥の方から姿を現わした、撫附髪に水色の紋つきの年配の男がありました。
「や、お帰りでござったか」
「はい」
「飛脚の方は滞りなく出立を致させましたから、御安心ください」
「御苦労さまでした」
その撫附髪に水色の紋つきというのは、見たことのあるようなと思うも道理、これぞ、短笛を炉中に焼いて、おのが身の恋ざんげを試みた不破の関屋の関守氏でありました。
その取りしきりぶりを見ると、この男は、あれから不破の関屋の関守をやめて、ここに来て、専らお銀様の事業の番頭役を引受けている気分は確かであります。
ここで右の関守氏は、右のわがままな女王を案内して先に立ち、お銀様のために、江北殿の隅々の案内に当ります。その途中、説明するところを綴り合わせてみると、江北殿というものには、ほぼ、次のような歴史があるのでした。