Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

と言って、お銀様が無雑作に箱の中から摘み出したのは、幾片かの小判でありました。

「甲州を立つ時に、父がわたしのために路用だと言って、あのお角さんという人に預けたお金を、半分は手附としてこの土地の持主に渡しました、その残りを、わたしがこちらへ来る時にお角さんが渡してくれました、それをまた三つに分けて、あの人にも持たせてやりました、その一つは、いま長浜へ両替にやりました、残る一部がこれなのです――数えてみると小判が五十二枚だけありました」

「まあそんな大金……」

お雪ちゃんは、思わず眼をみはりました。お雪ちゃんとしても、単に金銭に眼がくらんだというわけではなく、あんまりお銀様の金扱いが大まかなのに、ちょっと驚かされたのです。

五十二枚の小判を、無雑作に他人の眼の前へ持って来て、余り物でも処分するような扱い方が、お雪ちゃんには意外に思われてたまらなかったのです。お雪ちゃんとしても、そう卑しい生立ちではないから、千万金を見せられようとも、時と場合によっては、心を動かすようなさもしい人柄ではないけれども、お銀様のあまりざっくざっくした扱いぶりに呑まれたような形で見ていると、お銀様が、