Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「山の娘のお徳さんとやらの、こってりした情味は忘れられますまいね」

「は、は、は」

「高尾山蛇滝で馴染んだお若さんというのはどうです」

「は、は、は」

「伊勢の国の鈴鹿峠の下の関の宿から、お安くない御縁を結んだ、あのお豊さんとやらの心意気だけは、あなただって恩に着ないわけにはゆきますまい」

「は、は、は」

「あなたは、人妻を犯しました、人の後家さんを取りました、婬婦を弄ぶこともしましたし、処女と戯れることもしましたねえ、わたしの知っているだけでも……そのうち、誰がいちばんお気に召しましたかねえ」

「は、は、は」

「甲州の八幡村の小泉の家で、わたしに逆綴の帳面の初筆をつけさせました、あの時の水車小屋の娘もかわいそうでしたね」

「は、は、は」

「その帳面はあれからどうなりました」

「は、は、は」

「水に流されてしまってそれっきりでしたか。帳面は水に流されても、あなたの悪い行いは流れてしまいは致しますまい」

「は、は、は」

「あれから後、何人の人を殺しましたか」

「は、は、は」

「染井の化物屋敷の時のことをお忘れなさりはしますまいね、弁信さんとわたしと三人で、あの、うんきの中に、土蔵の二階で合奏をしたことがありましたねえ」