Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「はい」
「その時に、もし隣の地に悪い奴があって、その理想国を羨み、その余裕のある宝を奪いに来たらどうします」
「そういうものが多少現われたところで、わたしたちの団結の力で受けつけません」
「ですけれども、それがもし、その悪い奴が多少でなく、二人や三人や五人や十人ということでなく、数百、数千の人が団結して侵して来たらどうします」
「その時は、わたしたちのうちの男は鍬を捨てて、女はつむぎを投げ捨てて、その外敵を弾きかえします」
「してみると、そういう不時の侵入者に対して、平常の用意というものが要りますね――五六十人の敵ならば、有合わす得物を取って、応急的に追っぱらいましょうけれど、千人万人の侵入者に対して素手というわけにはゆきますまい、先方もまた必ず素手でやって来るというわけでもありますまい。必ず、こちらにも、それに要するだけの武器というものを、平生備えて置かなければならないでしょう」
「それは、事業が進み、規模が大きくなるにつれて、自然にその準備が出来るようになります。たとえば部落の中に火事があったとしましても、一軒二軒のうちならば、手桶や盥で間に合いましょうけれど、殖えてくれば、非常手桶や竜吐水も備えなければならず、また備える費用もおのずから働き出せて来ようというものです。