Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも面白くないな、こうして酒を一杯飲むごとに、胸が重くなる」

「冗談じゃない、酒は憂鬱を掃う玉箒というんだぜ、酒を飲んで胸を重くするくらいなら、重湯を食べて寝ていた方がいい」

「だが、丸山――酒は旨いんだよ、肴は申し分ないんだが、この胸だけが、だんだんと苦しくなる」

「病気でも起ったのかい――鬼の霍乱てやつで……」

「そうじゃない――病気なんていうやつは、本来、仏頂寺の門前を避けて通ることになっているのだが、今日はなんとなく気がふさぐよ」

「困ったもんだな、天気はこの通りよしさ、ところは名代の小鳥峠の上で、紅葉を焚いてあたためた酒を飲みながら、手取りの松茸のぴんぴんしたやつを手料理、これで気をふさがれちゃあ、土瓶も松茸も泣くだろう、第一、板前の拙者がいい気持はしないや、浮きなよ、浮きなよ」

「浮かない、どうもこの胸が、一杯飲むごとに沈んで行く、といって、酒はやっぱり旨いのだ、肴に申し分もないし、天気はいいし――」

仏頂寺は、盃を噛みながら四方を見廻す。至極晴れやかな小鳥峠だけれども、仏頂寺に見廻されると、急に白ちゃけてくるようになる。丸山はその気を引立てようとでもするかの如く、