Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

今晩、来訪して来たのを見た時も、この青年のふところがふくらんでいることに於て、青嵐居士は早くも、この青年が辞書をふところにして来ているなと見て取ったものですから、この提出を求めたのです。

青嵐居士は果して外国語の素養があるかどうかは知らないが、青年の提出した冊子を受取って、一応調べてみました。辞書といったところで、当時スタンダードもコンサイスも有るべきはずはない、有るべきはずがあったにしたところが、この青年などの手に渡るべき品ではない、そこで、青嵐居士が取り上げた辞書も、筆記物の辞書でありました。誰か、しかるべき人が所持している日本に数冊という極めて貴重の外国本の、又写しの又写しの、そのまた又写しの何代かの孫に当るべき薄葉の肉筆写本を、この青年が持っているのであります。

筆写本だからといって、本人が読めて、そうして筆写するならまだいいが、読めないで形によって写すのだから、難渋なことは言わん方がない。だから、蘭文学だか、英文学だか、一見しただけでは誰だって判別がつき兼ねる。まず、横文字の辞書と見て取って、蘭学をやるのかと詰問した青嵐居士に、蘭学と英学の区別がつかなかったというわけではない。