Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
これだけの名乗りによると、一方が道庵君であることは先刻わかっているが、留守中の来客というのが健斎君であることが同時にわかりました。しかし健斎君といっても、道庵にはわかっているが、他の者にはわからない。この作中に於ては初見参の名前ですから……だが、戸籍を洗ってみると、少しも怪しい者ではない。このあたり、あまり遠くないところに住んでいる、やはり道庵の同業者の一人であることが、名前から言っても、言語挙動から言っても、充分に受取れる。
「健斎君、君のところは、この近辺だったかいねえ」
「山城の田辺だよ」
「山城の田辺というと、どっちに当るかなあ」
「伏見の先の方なんだ」
「そうか。そうしてまた、どうして道庵がここにとぐろを捲いているということがわかったのだい」
「いや、それは、思わぬところで耳に入れたものだから、とりあえずやって来て見ると、君は留守だとのことだが、座敷の模様を見ると、あまり遠出をしたようでもないから、そのうち戻るだろうと、こうして待っていたところだ」
「よく待っていてくれた、なんにしても、聖堂以来の思いがけない対面で嬉しい、早速いっぱいやろう」
「ははあ、君は相変らず飲むな、僕はあれ以来、禁酒だよ」