Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「それもそうですね、ではあなたは道庵先生とは別の心持でいらっしゃい、お雪様だか誰だかわからないようにしてお送りしますから、蔭にはいつも両先生がついていると、心強く思っていらっしゃい」

そこはお角さんも心得ている。道庵という先生は、至極出来のいい先生ではあるけれども、何をいうにも、あのがさつな気象である。むやみにいい機嫌で、病人の傍でさわがれた日には、病人のためにならないこともある。且つまた、この病人は、全く素直であるだけ、それだけ油断がならない。いつまた昂奮して、再び死を急ぐような気分にならないとも限らない。心中者には特にそういう気分は有りがちで、まあよかった、人間一人を取戻したと思ってホッと安心している、その隙をねらって飛び出して本望を遂げてしまうという例もずいぶんあることですから、その辺は健斎先生にもよく依頼してある。なんにしても、当分は、絹糸にさわるように本人の気分をやわらかにして置かなければならない。この際に道庵先生のようなざっかけを、病人の意志に反して、傍に置くことは相当考えなければならないと、お角さんが思いました。

そこへ、取次の女中が出て来まして、