Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「おい、誰だ、そこにいるのは」

酔眼をみはって誰何したが、返事がない。よって、わざわざ摺りよるように近づいて、

「なんだ、机竜之助氏ではないか」

竜之助と呼ばれた立像は、無言でうなずいているのを伊東が、

「何しに、こんな夜更けに、こんなところにいるのだ、芹沢の来るのを待っているのか、ははあ、山崎と同行か、山崎は今、あの通り、橋の上で斎藤と話している」

伊東も振返って、再び橋上を見ると、立話に夢中な斎藤も、山崎も、てんでこちらのことは忘れてしまっているようです。

「して、貴殿はドコへ行かれる、先年、島原から行方不明になったとは聞いたが、どうして今ごろ、こんなところに何をしておられる」

伊東甲子太郎は、こう言って、橋詰に立つ竜之助に向って問いかけたのは、酔い心地に旧知のことを思い出したのです。

だが、竜之助は相も変らず柳の下に、立像のように突立っているだけで返事がない。酔っている伊東は、返事のないことにも頓着せずに、畳みかけて物を言う、

「今時、貴殿ほどに腕の出来るものを遊ばして置くという手はない、いったい、君は佐幕派かい、勤王派かい」

駄目を押しても相手がいよいよ返事がない。