Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「机竜之助が――」

「あんまり不思議だから、話しかけてみたが、いっこう返答がない、音無しの構えだ」

「そうですか、それは珍しい人物に逢ったものですな、あの先生、島原であんな物狂いを起してから、トンと行方不明、人の噂では十津川筋で戦死したとも言われていたが、それではまだ生きていたのかな」

「たしかに、あの男だったよ、それから僕がいろいろ話しかけて、遊んでいるなら我々の屯所へ来いと言ったが、やっぱりウンだともツブれたとも言わぬ」

「はーて、それは珍しい、珍しいばかりじゃない、近ごろの掘出し物だ。本来、あの男は芹沢とよく、近藤とはよくない方だから、渡りをつければ、当然こっちへ来るべき男だ。惜しいことをした、今時こんなところにうろついているとすれば、きっと道に迷っているのです。道に迷っているとすれば、我々の屯所へ引こうではありませんか、あれを近藤方へ廻しては一敵国だ」

「僕もそう思って、しきりに誘いをかけてみたのだが、いっこう返事がない――しいてすると、ああいう性格の男だから、かえって事こわしと思って引上げたのだ」

「それは惜しいことです、ああいう人間をこの際、見落すという手はない、もう一ぺん引返して、さがしてみましょう、そうして僕からもひとつ説得を試みてみようではありませんか」