Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

そう解釈してみると、解釈しきれないのは、では、ナゼ男も死んだ、これだけの男ならば、水練がないはずはなし、どう間違っても、この小娘一人を水上に扱い兼ねる代物ではないはずなのに、おぞくも生死を共にして抱合いの形に落ちてしまった。それがわからない。

がやがや騒ぐ水手楫取どもをおさえた船頭が、またも何か驚異の叫びを立てて、

「おかしい……二人とも、ちっとも水を呑んでいねえぞ」

と言いました。

水を呑まない溺死人ということは、この際、考うべきことでした。

抱き合って身を投げたものが、浮きつ沈みつ、ここまで漂い来ることの間に、水を一滴も飲まないということは有り得べきことでない。もし飲んでいないとすれば、それは飲まないのではなく、飲ましめなかったのだ。満々たる水の世界に身を投じて、ともかく、相当の深さまで究めたはずのものが、水を飲んでいないということは、あらかじめ水を飲ましめないようにしてあったのか、そうでなければ、舟を出る時に、のみたくも飲めないような生理状態になっていたのか、ということが疑問になるのです。

この疑問は、物に慣れた船頭が直ちに解釈してくれました。