Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
宮さん
宮さん
お馬の前の
ピカピカ光るは
何じゃいな
あれは朝敵
征伐せよとの
錦の御旗じゃ
ないかいな
トコトンヤレ
トンヤレナ
の軍歌は、いよいよ明亮を極めて、絶えず、前から襲って来たものですから、米友もつい、そのリズムに捲き込まれて、いい気になってしまい、歩調までが勇み足になった上に、
トコトンヤレ
トンヤレナ
と伴奏しはじめたかと見ると、興に乗じたか、提灯を地面に置いて、自分は道のまんなかに踏みはだかり、手にした例の振杖ではない杖槍を取って、中空に投げ上げ、それが落ちかかるやつを手早く取って受けては、またクルリと中空へ投げ上げる、右へ泳ぐのを左で受けたり、左へ流れるのを右で受けたりして、合の口拍子には、
トコトンヤレ
トンヤレナ
とはしゃいでいる。
それに頓着をしない弁信は、委細かまわず突き進んで、やがて本街道から外れて、とある藪小路に突き入ってしまいました。トコトンヤレを口ずさみながら、米友がそこに踏みとどまって、棒を弄して以てあえて弁信のあとを追おうとしないのは、あらかじめ諒解があって、弁信は弁信としての当座の使命があり、その使命を果すべく自由行動を取り、米友は米友として、その待合せの時間を余戯でつぶしていると見ればいいのです。