Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
そこで来るべきところへ来たという安心がありました。
その門をくぐって、屋敷の中へ入って見ると、広いこと、門の外も同じ原っぱならば、門の中もまた同じような原っぱ。
さすがに門の外は、荒寥たる自然の山科谷だけれど、門の中には相当に手入れをした形跡はある。自然の林と原野とを利用して、相当人間の技巧を加えたのが、久しく主に置き忘れられて、三逕荒に就き、松菊なお存するの姿にはなっていたけれど、これもきのうきょう開きならしたらしい旧径のあとは、人を奥へ導いて、この道必ずしも鳥跡ではないことがわかる。
「ずいぶん広い屋敷だ」
と、歩きながら米友もひそかに舌を捲いたくらいだから、門を入ってさえドコに人家があるのだか容易にわかりません。
「光仙林」ていうから林の名なんだ、だが門があって、表札が打ってあるからには、人の住むべき構えがなければならないということを、強く予想しながら、弁信にまかせて従って行くと、果して、一口の筧を引いた遣水があって、その傍に草にうずもれた低い家があったのです。
そこへ来て見ると、何よりも人の住んでいることに間違いのないという証拠は、幽かながら燈火の影がさしていることで、またも米友を安心させると、時を同じうして弁信のおとなう声を聞きました。