Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
かとりの海と呼ばれた地面、或いは水面が、その当時存在していたのだ、ということを言いますが、或いはそれが正しいかも知れません。そういうことは、池田良斎がよく知っています、我々無関門の鑑賞者は、まずその歌の持った無限に大きな音階と、姿勢に打たれるだけでよろしい、和歌といえども、大きなものになると、誦すべくして解すべからずでよろしい。たとえば、他に人麿の歌にしてからがです、
ともし火の
明石大門に
入らむ日や――
吟じてごらんなさい、声は千年の深韻を以て響き、調べは千古の心に微妙に沁み渡るです。拙者はこれがまた大好きな歌の一つでしてね、これを吟ずると陶酔するです。ところが、この歌の全体の解釈に至ってみると、人麿が西海から帰る時の歌だか、西国へ向って出て行く時の歌だか、その帰趨が甚だ不明瞭を極めてくるという次第ですが、そういう解釈の如何にかかわらず、その想に驚き、調べに酔わされることは渾心的です」
お銀様を前にして、こういう歌物語をはじめている。広長舌は必ずしも弁信法師の専売ではない、ということはわかるのですが、いったい今時、船をこんなにまで急がせながら、乗り手ときてはこの通りの悠長さ、それに第一、女性の方は女王であり、男性の方はその総参謀長であるべき身が、二人ともに山を出てしまったのでは、留守のことも思われるではない