Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「では、あなたお先に」

「いいえ、あなたから」

「あたし、長いのが当りますように」

「あたし、籤のがれの神様がお立ちなさいますように」

「あたし、いちばん長いの、でなければ、その次の長いのを下さいますように、妙見様」

こんなことを言いながら、一本抜き、二本抜き、とうとう十二本のこよりの籤が残らず、おのおのの舞子の手に渡りました。

「ああ、朝霧さんがいちばん短い」

「夕陽さんがいちばん長い」

当座の運命の神様の手に捌かれた十二本の長短の順位は、おのおののがるべくもない。

すでにのがるべくもないと自覚されてみると、いまさら愚痴と不平とは禁物であって、おのおのその運命に懸命の努力を以て追従せんとはする。

そこで、最初に皮切りの、眼のすずしい、丸ぼちゃの口から、アラビヤンナイトの第一席がはじまろうとする。

「ずっと昔のことよ、ずっと昔と言っても、桃太郎さんや花咲爺さんの時分ではないこと、それから比べると新しいわね、もう何年ぐらいになるか知ら、五年ぐらいでしょう、その時分にあの御簾の間のお部屋で大変があったとさ」

「どんなに大変だったの」

「いいから、話さないで頂戴、それからさき聞くこといらない」