Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
というのは、こう、しゅうねくからんで来られる客の意志を、無下に振り切ると必ず反動がある、相手が相手だけにその反動が、またどんな騒動を呼び起すまいものでもない。この手の客はトカクはなれていけず、ついていれば御意の召すまで引きつけられてしまう。簡単な相手のようでかえってうるさい――村正氏は、ようやく何かにからみつかれる思いをしました。
だが、一方の爛酔の客は、ちっともその座を動くのではない。今の先、両刀を投げ出してみたばっかりで、忽ちまた以前のように仰向けの不動の姿勢になり、その両掌をぼんの凹で組合わせていることはかわりません。
この酔客は前に言う通り、酔って紅くなる酔客ではない、酔ってますます蒼くなる性質の飲み手であることはわかっているが、すべての応対のうち、一度も眼を開かないということが一つの不愉快だと思いました。いかに爛酔の客といえども、これだけに筋の立った発言ができるのである、いかに酔眼とは言いながら、これだけの物を言う間には、一眼ぐらいは、ちらとでも開いて、そうして、相手の方面を、たとえ上眼づかいになりとも見やって置いて、それから舌なめずりでもして物を言うのが、生態上しかくあるべきはずなのに、この人は、ちっとも眼を開かないで、こっちを見ないで、こっちを相手にしている。