Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
とした穴っ子の中へ潜入して見ました。
この忙しい折柄に、轟の源松は、燧をきってかがやかし、穴っ子の中を一通りのぞいて見たが、穴っ子の空巣である以外に別段に異状はない。天井も相当雨漏りと土落ちに備えてある。中には藁とむしろとが敷かれてある。その天井の上に仕掛けもありそうなことはなし、むしろの下にも特別に隠された物件はありそうもなし、ただ多少気にかかるのは、その敷物の真中に置き据えられてある鍋釜だけのものです。いと古びた三升焚きの釜と、それに釣合いとしては小さきに過ぐる割れ鍋が安置してあるだけのものでしたが、源松は、まず釜の方の蓋を取って見ますと、今時の乞食にしては贅沢千万、外米入らず、手の切れるような未炊の白米が八分目ばかり。手を入れてみたが、ザックという手ざわりのほかには異状がない。連合いの方はと、とじ蓋をとって見ると、割れ鍋の中に竹皮包の生々しい一塊、これも味噌以外のものでありようはない。この忙がしい折柄に一応、穴っ子の中へ眼を通すだけは通しておいて、次の瞬間に、源松は外へ飛び出し、再び橋上の職場へ取って返し、さて、仕事はこれからと、勇み足を踏みしめた途端、橋の上で突然、人をばかにしたような声が起りました、