Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
ありません。
「ああ、また夜が来たな!」
歎息とも、自覚ともつかない認識は、視覚以外の感覚ですることであって、時間というものを光によって区別せずして、勘によってするまでのことで、おおよそ何が夜の何時であり、昼の何の刻であり、あるいは昼と夜のさかい目、人間に於てたそがれという時、蝙蝠に於ては唯一の跳梁の時間――ということまで、枕を上げた瞬間にちゃあーんとわかる。
朝寝して、昼寝するまで、宵寝して、時々起きて、居睡りをする
という歌を思い出して、彼は苦笑を禁じ得ない。その辺で、はじめて冠を上げて、身を起すことになりました。
身を起して見ると――見るというのは勿論、その特有の超感覚で見るのです、以前も以下もそれに準じていただきたい――例の唐銅の獅噛の大火鉢には相当火が盛られていた。大鉄瓶がかかっているし、お茶の用意も一通り出来ている。それに、お弁当がちゃあーんと備えられていることを知りました。だが、誰もほかの人の気配はない。いつもならば、二人、三人、或いはそれ以上雑多な人数がここへ詰めて来て、がやがやとし、食事を取って、談じ込むもあれば、そうそうに出て行くもある。