Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
と言う声を、草むらの奥で聞きました。
聞き直すまでもない、それは竜之助として、甲州の月見寺以来熟しきった、お喋り坊主の音声に相違ありません。
「孔夫子の聖を以てしてからが、五十以て易を学ぶと仰せられました、五十になってはじめて易を学べば大した過ちはなかろうとおっしゃいました、孔夫子の聖を以てすらが、それでございます、凡人の能うところではござりませぬ」
その音節によって見ますと、これは曠野の独り演説ではないのです。誰か別に聞く人あって、それを相手に語り出でながら、歩んで来るものとしか思われません。
そうして、この場合、この怖るべきお喋り坊主の舌頭にかかって相手役を引受けている人の誰であるかが、竜之助にはっきりわかりました。相手方は何との応対もないのに、これが竜之助の勘ではっきりとわかりました。つまり、あのむつかし屋の胆吹の女王以外の何人でもありません。
そこで、弁信がお銀様を相手に、かくも弁論の火蓋を切り出したものだということが、はっきりと入って来ました。
「易という文字は、蜥易、つまり守宮の意味だと承りました。守宮という虫は、一日に十二度、色を変える虫の由にござりまする、すなわちそれを天地間の万物運行になぞらえまして、千変万化するこの世界の現象を御説明になり、この千変万化を八卦に画し、八卦を分てば六十四、六