Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「あら、鶏の夜鳴でしょう、まだ一番鶏なんて、そんな時刻じゃないわ、鶏の夜鳴は不吉だというから、もし夜鳴がつづいたら、出立をお見合せあそばしませな、かえり初日ということもあるじゃないの。でも、相当に夜が更けたようだわ、どれ、もう一風呂浴びて参りましょう、夜も昼もあんなにお湯がふんだんに吹きこぼれているのに、勿体ないわ、一度もよけいに浴びてやるのが、お湯に対しての功徳というものよ、ねえ、もう一風呂浴びましょう、のぼせたってかまわないじゃありませんか、今晩限りの湯治ですもの、湯疲れがしたって知れたものよ、あの通り、お湯が湯壺でふつふつと言って、人にお入り下さい、お入り下さいと催促をしつづけているじゃありませんか、入ってやらないのは罪よ、入りましょう、一緒に入りましょうよ、今晩限りのお別れなんですもの、のぼせあがって目が見えなくなってもかまわないじゃないの、ねえ一緒に入りましょう。また、あなた、今になって、いやに御遠慮なさるのねえ、白山白水谷のあの道中で、あの通りの道心堅固なあなたじゃありませんか、いまさら一緒にお風呂を浴びたからとて、落ちるようなあなたでもなし、落すほどの腕を持ったわたしなら何のことはないわ、ああ、あのお湯が鉛なら溶けてこの身をなくしてしまいたい……」