Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
を走らせることを知る風流の心を持ち得る人種であるということがわかるだけのものです。
しかし、それほどに、小町というものの通俗にうたわれた容姿風采とは趣を異にしているけれども、彫刻そのものが凡作でない証拠には、この年になっても、どこやらに人に迫るものがある。古えは美で人を悩殺したが、今は鬼気を以て人を襲うという凄味があるのは、小町その人の生霊が籠るというよりも、彫刻師その人の非凡がさせる業に相違ない。眼の高いお銀様は、早くもこの彫刻の非凡さを見て取って、しかしてこれが小町であることに大なる共鳴を感じました。美人としての小町なんぞは語るに足らない、鬼女としての小町、小町としての本性格は、これでなければならないと、お銀様は入室の最初からその木像を愛しました。
ただ、気に入らないのは、床の間の一方に、算木や、筮竹や、天眼鏡といったようなものが置き散らされてあることで、これとても、この室の調子を破るというほどではないが、算木とか筮竹とかいうようなものが、お銀様は嫌いなのです。人間の運命を、人間以外の者に向って伺いを立てるというような不見識が、お銀様の常日頃からのお気に召さないのです。