Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
を、確認したからです。
その瞬間に、万事を忘れて、
「あいつが来ているからには、何か事がある」
自分の胸へ、何とはつかず、ぴーんと来るものがありました。
六十一
神尾主膳は相変らず、勝麟太郎の父、夢酔道人の「夢酔独言」に読み耽っている。
神尾をして、かくも一人の自叙伝に読み耽らしむる所以のものは、かりに理由を挙げてみると、人間、自分で自分のことを書くというものは、容易に似て容易でない。第一、人間というやつは、自分で自分を知り過ぎるか、そうでなければ、知らな過ぎるものである。自分で自分を知り過ぎる奴は、自分を法外に軽蔑したり、そうでなければ自暴に安売りをする。自分で自分を知らな過ぎる奴は、また途方もなく自分を買いかぶるか、そうでなければ鼻持ちもならないほど、自分を修飾したがる。
よく世間には、偽らずに自分を写した、なんぞというけれど、眼の深い奴から篤と見定められた日には、みんなこの四つのほかを出でない――極度に自分を買いかぶっている奴と、無茶に自分を軽蔑したがる奴、それから自暴に自分の安売りをする奴と、イヤに自分をおめかしをする奴――自分で自分をうつすと、たいていはこの四つのいずれにか属するか、或いは四つのものがそれぞれ混入した悪臭のないという奴はないのが、このおやじに限って、どうやらこの四つ