Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「よう言うてくれました、わたしの大好きな大好きな真さん、さあ、こっちへいらっしゃい、一緒に死んで上げるから」

「わしがお前を先に死なそうか、お前がわしを一思いに殺してたもるか」

「後先を言うのが水臭い、いっしょに死ぬのではありませんか」

「ああ、嬉しい」

「お前、ホンまに嬉しいか」

「離れまいぞ」

「離れまじ」

「未来までも」

「七生までも」

「さあ、お前、これでも生きたいと言わしゃるか」

「ああ、死にたい」

「あれ、真さん、そこは深い」

「深いところがいいの」

「お前ばかり先に深いところへいって、わたしだけが残されるようで、いや、いや」

「そんなら、お前、先にお進みなさい」

「後先を言うのではないはず、後へ引こうにも、先へ行こうにも、二人の身体は、この通り結えてあります、動けるなら動いてごらん」

「こうなっても、いやならいやと言うてごらん」

「もう知らない」

「嬉しい、く、く、苦しい」

「わたしも苦しい、水――」

「水――」

「二人は苦しいねえ、真さん」

「二人は嬉しいねえ、豊さん」

痴態を極めた男女の姿を眼前に見ているお銀様。思案に余って、身の上判断を請うと言って、わざわざ人の寝込みまで襲いながら、人の見る眼の前で、このザマは何だ、相談に来たのではない、心中に来たのだ、しかも、このわたしというものの眼前で、思いきった当てつけぶり、何という愚か