Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
十八
三日目の午後、今日は早帰りをして、風呂につかっていると、三助が一人やって来て、
「お流し致しましょう」
「済まない」
手拭を渡して不破の関守氏が、背中を向けると、その三助の流しぶりが変っているのに気がつきます。この三助は、背中を流すに片手をつかっている、左手だけしか使わない、最初のうちは勝手だろうと考えていたが、変ですから、不破の関守氏が気をつけて見ると、手んぼうなんです。わざと気取って片手あしらいをして見せるのではない、片手しかないから、そのある方の手だけで働いているのだと認めました。
しかし、人の不具を認めたからといって、必要なきに注視するのも心なき業だ。片手であろうとも、両手であろうとも、職務そのことだけがつとまりさえすれば何も言うことはない。ところで、その職務が、片手あしらいで両手の持つ働き以上の働きをする器用さに、不破の関守氏が内心舌を捲きました。
「いや、どうも有難う」
一通りの三助のすることを手際よくやってのけた上に、上り湯を二三ばいたっぷりとかけてくれて、肩をとんとんと三つばかり叩いた気持などというものも、相当にあざやかなもので、なお一杯をなみなみと汲み置きをして、