Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
その血が柘榴を噛んで噛み散らしたように滲んでいます。
「飛んでもないことをしてしまった」
「遺書のこと……豊」
それが行燈の下に置いてあります。お豊――読者のうちにはこの名を覚えている人があるでありましょう、それは同じ伊勢の国で亀山の生れ、家は相当の家でありますけれども、真三郎という恋人と思い思われてついに近江の琵琶湖に身を沈めてしまった女であります。幸か不幸か、男の真三郎は冥土へ行ったのにお豊だけはこの世に生き残って、大和の国三輪の里の親戚へ預けられている間に、京都を漂浪して来た机竜之助と会うことになってしまった。それがまた飛び放れて、紀伊の国の竜神という温泉場の宿屋のおかみさんにまでなってしまった。両眼の明を失った机竜之助を介抱して、呪いの火に焼ける竜神村をあとにしてどこへか逃れて行ったが――落着く運命はついにここでありました。
今度こそは生き返る心配はありませんでした。遺書は主人へ宛てた一通だけで、ほかにはどこを探してもそれらしいのがありません。
よくよくあの歌につまされたものでしょう、遺書の書出しに記してあるのは、
花は散りても春は咲く
鳥は古巣へ帰れども