Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
お玉は、昨晩これを拾った始末を話そうとしている、金ちゃんの母親は目をすまして、その結構な印籠をながめていると、この時まで温和しく縁先に坐っていたムク犬が、何に気がついてか頭を立てて竹藪の中へ真直ぐに眼を注ぎました。
ムク犬が竹藪を見込んだことは、なにか仔細がありげで、お玉にはそれが気がかりにならないことはありませんけれど、話しかけた筋は通さねばなりませんから、
「そういうわけで、わたしは山田へ廻りますから、もし後れて、わたしの間に合わない時には、お鶴さんを頼んで下さるように、お杉さんに、そうおっしゃって下さいまし」
お玉が、金ちゃんの母親を呼び込んだのは、この言伝をしてもらいたいからでありました。
「へえ、よろしゅうございますとも」
この時に、竹藪の中を見込んでいたムク犬は、急に起き上ると驀然に藪の中をめがけて飛び込んでしまいました。
「どうしたんでしょう、ムクが落着かないこと」
お玉もまた竹藪の中を見込んで思案顔。
「狐が出たのでしょうよ」
「そうかも知れません」
ムクはしばしば狐を取り、狼を追いかけることがありました。ムクが出動をする場合は、大抵この二つの場合でありましたが、その狐も今は絶えてしまったようだし、狼もムクを怖れて、幾年にもその影を見せませんから、この村には、今ムクを起すべき非常のことが一つもなかっ