Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「御用」

表でこの騒ぎを知るや知らずや、今度は正銘の捕方が五人、比較的に穏かな御用の掛声で、ドヤドヤと裏口からこの家へ押込んで来た。その出会頭に、眼を瞋らし、歯を咬み鳴らし、両足を揃えて猛然と備えたムク犬。

「わたしは何も……わたしは何も、お役人様に召捕られるような悪いことをした覚えはありません、それだのに、何もわけをお話し下さらずにわたしを捉まえようとなさるのは、あんまり、あんまり酷い」

お玉はオロオロ声で愚痴を言いましたけれども、いま裏口から入って来る人数を見ると、わけもわからずに怖くなって、

「わたし、逃げるわ、何も悪いことをしないのに捉まっては合わないから逃げるわ、あとでわかることでしょうから逃げるわ」

お玉は無分別に、跣足で縁を飛び下りて、無暗に逃げ出してしまいました。

「それ、お玉が逃げる、逃がすな」

お玉が逃げ出したと見た捕方が追いかけようとする、真先の男に飛びついたムクは、咽喉笛をグサと啣えて、邪慳に横に振る。

「あっ」

「憎い犬め!」

次のが十手で一撃を加えるのを、その手を潜って面にガブリと噛みついた、素早いこと。

「斬れ斬れ、叩っ斬れ」

あまりの猛勢にぜひなく白刃を抜いて、一刀の下に斬り捨てんと振りかざせば、その刃を飛びくぐって、跳ねつき、唸りつける凄まじさ。