Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「その小島さんというお方がいらっしゃるならば、その方へお手紙を内緒で頼まれて参りました」
「ああ、そうでござんしたか」
「これがそのお手紙でございますが」
「これが……」
与兵衛はお玉の手から手紙を受取って、
「それは御苦労様でございます、どうか少しお待ちなすって。その火の傍で少しの間、待っていておくんなさいまし」
与兵衛はその手紙を持って、家の内と外とを気遣うように見廻して、戸を締め切ってしまいました。
被っていた手拭を取って火の傍へ寄った女は、間の山のお玉であります。
お玉は仕事場の中へ入って炉の傍へ寄って、いま出て行った老爺の帰るのを一人で待たされていました。焚火の光で、丸太を組み渡した高い天井が白い蛇の這っているように見えました。光の届かない家の四隅は真暗で、外で千鳥の啼く声が淋しい。
「いやどうも、お待遠さま」
ようやくに裏口の戸をあけて与兵衛の帰って来たのを見て、お玉はホッと息をつきました。
「おや、お前さんは間の山のお玉さんじゃねえか」
与兵衛は今になって、それがお玉であることに気がついたのです。
「ええ、そうでございます」
お玉は恥かしそう。
「こりゃ、お見外れ申したというものだ」