Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
船番の人に言伝があって、帰るつもりであったけれども、山田の町にもう少し足を止める必要が起ったから帰れぬとのこと。それを聞いてお松は安心をして、元船へ帰るべくまた舟を漕ぎ戻してもらいました。
十五
山田の町を道庵先生が、今お伴を一人つれてのこのこと歩いています。道庵先生とだけでは、この土地の人にはよくわかるまいが、下谷の長者町へ行って十八文の先生といえば誰にもわかるのであります。
「先生、お薬礼はいくら差上げたらよろしゅうございましょう」と聞くと、「あ、十八文置いて行きな」と答える、それで十八文の先生、一名、安いお医者さんで有名なのであります。この十八文のためには、与八と組打ちまでした騒動があるのであります。お松なんぞもこの先生のお蔭で命を取留めたのでありました。その道庵先生が一僕を召連れて、ほくほくと伊勢参りなんぞと洒落込んだのであります。
「仙公、今夜どこへ泊るべえな」
道庵はお伴を振返って酒臭い息を吹きかけました。道庵先生が酒臭い息を吹きかけているから天下が泰平なのであります。
「そうですな、千束屋か牛車楼あたりへドンナものでげす」