Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「追分か、越後獅子が聞きたい」

なんと言われても事実、竜之助には本手の三四曲しか吹けないのだから仕方がない。

「なるほど、これは駆出しの虚無僧じゃ、まんざら遠慮をしているとも見えぬわい」

一座は興が冷めてしまいました。せっかく呼び込んだ男は一座の手前に多少の面目を失したらしく、

「よしよし、それでは代って拙者が吹いてお聞きに入れよう。虚無僧、その尺八を貸せ、こう吹くものじゃ」

竜之助の手から尺八を借りて、節面白く越後獅子を吹き出した。なるほど自慢だけに、竜之助よりは器用で巧いから、一座の連中はやんやと喝采します。

「今度は追分を一つ、それから春雨」

調子に乗って、竜之助の尺八を借りっぱなしで盛んに吹き立てると、それで興の冷めた一座が陽気になってしまいました。

さんざん吹きまくった上で、抛り出すようにしてその尺八を竜之助に突返して、

「さあ、これがそのお礼だ、その方へのお礼ではない、尺八の借賃じゃ、取っておけ」

いくらかのお捻りを拵えて竜之助の前に突き出しながら、わざと竜之助の天蓋へ手をかけて面を覗き込もうとする、その手を竜之助は払いました。

竜之助のは正式に允可を受けた虚無僧ではないのです。