Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

修験者は、村の人に頼まるれば、村の人のためにあらたかな修法をして、風か雨か、火か水か、とにかく、来るべき災禍を鎮めてやるに違いないのだけれど、困ったことには、いくら修験者にその力があっても、それを最初に見た村の人から頼みに来なければその法のききめがないということでありました。

さあ、伝説が真実であったら、この村の頭の上に大悪魔が手を出しているわけであります。それを知っているのは修験者一人、知って知らないのはお豊一人――修験者は天地が八つ裂きになろうとも自分からこうとは言い出さぬ。いまや竜神村の安否はお豊の口一つにかかっているはずなのに、そのお豊は怖ろしい言い伝えの前には無智であるだけに、それだけに大胆でありました。「清姫の帯」は念頭になく、ただ人相書が気になって眠れないのでありました。

五

その次の日の宵の口、室町屋の店先には、竜神街道や蟻腰越えをする馬子駕丁と、それに村の人などが、二三人集まって声高く話をしています。

「今年も、よくよく御難な年だ、十津川騒動さえ始まらなければ、こんなことはないのだが、湯の客は少ないし、薬種を買いに来る商人も見えず、その上に、今日も明日も厳しい落人詮議で追い廻される、たまったことじゃないわ」