Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

がんりきは、やや遠くから用心をしいしい、それでも人を食ったような物の言いぶりで、

「先生――折入ってひとつ先生にお願い申してえことがあるんでございます、それはほかでもございませんが、あの年増の御新造、お絹様とやらおっしゃいましたな、あの御新造をがんりきがいただきてえんでございます」

「ナニ?」

「お恥かしい話だが、先生が、あんな御新造に侍かれて道行をなさるのを見ると、疳の虫がうずうずしてたまりませんや。もとより金銀に望みはねえ、腕ずくでは敵わねえから、ここは一番、色気を出し、先生とあの御新造を張り合ってみてえというのが、このがんりきのやまなんでございます。なんと、どうでございましょう、きれいにあの御新造をがんりきにくれてやっておくんなさるか、それとも、女にかけてはどっちの腕が強いか、思うさま張り合ってみようではございませんか」

これを聞いて竜之助は、

「あの女が欲しいのか」

竜之助は刀を差置きながら、

「女というものは水物だから、欲しければ取るがよかろう。しかしあの女は、感心に拙者を江戸まで送ってくれようという女だから、向うで捨てぬ限りは、こちらでも捨てられぬ。