Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

お絹は横になった竜之助の姿をしげしげと見ている。その横顔をがんりきは盗むようにして見る。

「燈火はないのですかねえ」

お絹は襟をすぼめるようにして、ちょいと後ろをふりかえる。

「お燈明皿ぐらいありそうなものだ」

がんりきは燃えさしの木片を松明のようにして本堂の方へ行ってみる、畳の破れへ足がひっかかって転びそうになった途端に、代用の松明が消えかかる。

「おっと危ねえ」

また足を踏み締めて、やっと須弥壇の方へ行くと、幸いなことに百匁蝋燭のつけ残りが真鍮の高い燭台に残っていたから、

「有難え、南無お祖師様」

がんりきはその蝋燭へ火をつけて帰って来ると、お絹はその光で寺の中を今更のように見廻します。

「それでは、夜具蒲団と、お凌ぎになるようなものを、そう言っていま持たしてよこしますから」

「どうも御苦労さま」

がんりきはお絹の横顔を見ながら、扉をガタビシさせて出て行く。あとは寂然として百匁蝋燭の炎がのんのんと立ちのぼる。

「もし竜之助さん」

お絹は仮睡をしていた竜之助の肩へ手をかけて揺る。

「お起きなさいまし、わたし一人じゃ淋しいから」

「がんりきは帰ったか」

「いま出て行きました」