Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「はて」
「それから、わたしは奥へ行って、また台所の方へ出ようとして、そのお膳部を差置いた間の外を通りますと、誰も女中がいないのに御主人が一人でいらっしゃる、その時も、やっぱり何の気もつかなかったのでございますが、わたしが通りかかるとその御主人が、あわてたような素振でついと立ったのが、そのとき少しおかしいとは思いましたが、それとても大して気には留めませんでした」
「うむ」
「それからお座敷では武芸のお話で持ち切りのようでした、料理が運ばれたりお酒が運ばれたりして、大へん陽気になりましたが、それでもほかのお客の時よりは、静かな席でありました。それから、わたしが廊下を渡ってお池の傍を通りますと、お池の中の金魚が三つばかり死んでいて、緋鯉が一つ死にかけて腹を上にしておりました」
「…………」
「それも別に深く気にしたわけでもありませんが、あれ金魚が死んでいると、ちょうど通りかかりの女中に言いますと、女中たちは物見高いから、忽ち二三人集まって、金魚評定が始まりました、猫にひっかかれたんだろうというものや、いいえ烏が飛んで来ていたずらをしたのに違いないというもの、そうではない狆がお池を掻き廻したからだというもの、なかには、毒を飲まされたんだ、金魚が毒を飲まされたと言い出したものさえありましたが、それは笑い物にされてしまって