Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「はあ、親の敵、なるほど。まだお若いに豪いものじゃな」

「豪いものじゃ。早く見つけ出して、立派に討たせて上げたいものじゃな」

「なるほど、十津川からこの竜神へは、落ちて来そうなところじゃ。しかし竜神といっても、人家はこれ僅かなものにしてからが、あの山、この谷をさがすとしたら容易なものじゃあるまい」

「まあ、当分は御用心のことじゃ。落人じゃとて一人に限ったものでもあるまい、どこにどんな人が幾人かくれていることか、なんにしても今年は災難な年じゃ」

「でもまあ、よく『清姫の帯』がお出ましにならないことよ」

「左様さ、これで清姫様の帯でもお出ましになったら、それこそ竜神村の世の終りだ」

「左様でござんすなあ、清姫様の帯も、もうここ五年がところもお出ましにならぬが、なにぶんにも、このままで無事に済んで下さればなあ」

「いや、もう大丈夫ですよ、清姫様の帯が出るのは、おおかた夏にきまってますからな、もう早や秋の分だから心配はない」

「そうでがすなあ」

しきりに「清姫の帯」、「清姫の帯」という。それが帳場にいたお豊の耳へは妙にひっかかって、今までの無駄話のように聞き捨てておけない気持になりました。