Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「悪い奴、その悪い奴は、片腕だけを残してどっちへ参りましたかいな」

「いずれへ逃げたか知らぬ、斬ると逃げた、そのままわしは眠くなってここへ倒れて寝た故に、前後のことは更にわからぬ」

「悪い奴でござんすなあ。皆さん、その手をここへ持って来て、お武家様にお目にかけるがよいぞや、お見覚えがありなさんすかも知れぬ」

「それもそうでござんすな」

お浪が拾って来た、がんりきの片腕。

「どうぞこの悪い奴の片腕を、篤とごらん下されましな」

「はは、わしは眼が見えぬのじゃ、この通り不自由者じゃ」

「お目がお不自由……まあ、そうでござんしたか、それは失礼なことを」

山の娘たちは、今更のように竜之助の面を見る。

「ああ、皆さん、この片腕はなあ」

腕を持って来たお浪が、何か気がついたように叫ぶ。

「その片腕が、どうなさんした」

「この片腕には入墨がしてありますぞいな。この入墨は甲州入墨といって、甲州者で悪いことをしたのが、甲府の牢屋へつながれて追い出される時に、この入墨をされるのじゃわいな」

「まあ、どこにそんな入墨が」

「これ、この通り、手首から五寸ほどのところに二筋の入墨」

なるほど、斬り落された腕にはその通りの入墨がある。