Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「黄色い色をしている」
「よくわかるね。それではおじさん、坊がここへ字を書くから、その字を読んでごらん」
子供は棒切れを取って竜之助の足許の地面へ大きく文字を書いて、
「さあ、何という字を書いた」
「それは読めない」
「それごらん」
「どうにも、おじさんにはそんなむずかしい字は読めぬ」
「教えて上げようか」
「教えてくれ」
「いや」
「教えてくれ」
「いや」
「その字が知りたい」
「教えればおじさん、戦人の話をしてくれる?」
「焦らすものではない、早く教えてくれ」
「蔵太郎や、おじさんを焦らさないで早く教えてお上げ」
「それでは教えて上げよう、いま書いたのは月という字」
「ああ、月という字――そう言おうと思っていたところ」
「聞いてから言っても駄目。それではおじさん、戦人のお話をしておくれ」
「おじさんに戦人の話をしてもらうより、お母さんに歌を聞かしておもらい」
「お母さんに歌を?」
「お前のお母さんは歌が上手であった。話は家の中でするもの、歌はこういうところでうたうのがよい」
「それではお母さん、歌をうたって聞かせておくれ」
「母さんに歌などがうたえますことか。それはおじさんが嘘をおっしゃるのですよ」