Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「竜之助様、おっしゃる通り、わたしはいま亭主持ちでございます……この温泉宿の金蔵というのが、わたしの夫でございます……その金蔵というのは、西峠の原で、わたしたちに鉄砲を打ち掛けた悪者でございます、その悪者のために、わたしは自由にされているのでございます……口惜しゅうございます。それはみんな、伯父のためや、植田様のためでございます。わたしが自由にならなければ、あの乱暴者は伯父様や植田様まで鏖殺にし、三輪の町を焼き亡ぼすと言っているのでございます……竜之助様、どうぞ、人のために忍びきれない恥を忍んでいる私をかわいそうだと思って下さいまし、一目、わたしを見てやって下さい、わたしにも、あなたのお面を見せて下さいまし」
「見えない、見えない」
竜太郎は面をそむけて、
「拙者の眼は見えない」
「エエ!」
お豊は、それを真事として聞かなかったが、この時、
「お豊――お豊――」
遥かに呼ぶ声は、階段の下に待たしておいた金蔵の声であります。
八
宇津木兵馬もまた、この夜、宿を出て、ただひとりこの竜神の社内へ出て来たのであります。
今日で、この地に留まること三日、まだ机竜之助の在所がわからない。