Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「どちらへお越しでございます」

「いや、どこというあてもなく、この社内をぶらぶらと、あの奥の森の方まで行ってみようと思います」

兵馬が指したのは、護摩壇のある修験者の籠る森のことであります。

お豊は、やはり森の方を見上げて、急に不安の色が面にかかり、

「あの護摩壇へでございますか。あれは、あそこへは、おいでにならぬがよろしゅうございます」

「何故に?」

「あれは、この土地で、きつい信心をなさる修験者がおりまして」

「修験者が?」

「はい、その修験者が、あれで護摩を焚いておいでなさいます。それ故、あそこへはおいでにならぬがよろしゅうございます」

「修験者が護摩を焚いているから行くなと言われるか」

「はい」

「修法の邪魔さえ致さねば、近寄っても苦しゅうはあるまいと思う」

「いや、それがこの土地の習いで。強ってあなた様があれへお越しになりたいと思召すなら、これから少し参りますると、御禊の滝というのがございます、その滝壺で水垢離をおとりになって、その後でなければあれへ参れぬことになっておりまする」

「水垢離をとった上で?」

兵馬は小首を傾けて、

「それほどまでにして信心にも及ぶまい」