Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

竜之助は、また黙った。

「しかし、その信心ができぬ。拙者にはこうなるが天罰じゃ、当然の罰で眼が見えなくなったのじゃ、これは憖じい治さんがよかろうと思う」

竜之助は独言のように言う、修験者はこれについて返事がない。竜之助が独言のように言った時は、修験者はもう護摩壇に上っていて、それを聞かなかったものらしい。

「眼は心の窓じゃという、俺の面から窓をふさいで心を闇にする――いや、最初から俺の心は闇であった」

竜之助の面には皮肉な微笑がある。窓の外の闇はいよいよ暗くして、雨は相変らずポツリポツリ、風もザワザワと吹いている。

心の闇に迷い疲れた竜之助は、こうしたうちにも、うつらうつらと夢裡に入る。

ちょうどこの時分は、金蔵とお豊も室町屋へ帰っていようし、宇津木兵馬は、お豊の言い分も肯かず、このほとりへ上って来たはずであるが、雨に恐れて引返したことであろうと思われる。

竜之助は肱を枕に夢に入る――

「おお、何を泣いている、お前はどこの子じゃ」

いたいけな男の子、道の真中に立ち迷うて、さめざめと泣いているのを、竜之助は傍に寄って、その頭を撫でながら、

「泣くでない、お前はよい子じゃ」