Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
また、文化のころ世を去った古市寂照寺の住職で乞食月僊という奇僧があって、金さえもらえば芸妓の腰巻にまで絵を描いたというその月僊和尚の、世間から受けた悪名をそのまま伊勢人全体の上へ持って行ったのだという説もあります。
そんなことはどうでもよろしいが、伊勢の国に乞食の多いことは争われないので、そうしていま申す間の山あたりには、それが最も多いのであります。
源氏車や菊寿の提灯に火が入って、水色縮緬に緋羅紗の帯が、いくつも朧の雪洞にうつって、歌吹の海に臙脂が流れて、お紺が泣けば貢も泣く頃には、右の間の山から、中の地蔵、寒風の松並木、長峰の里あたりに巣をくった名物の乞食どもが、菰を捲いて、上り高のさしを数えて、ぞろぞろと家路をさして引上げて来るのであります。秋に入ったとはいえ、陽気を受けたこの土地は、なかなか夜風の涼しさが肌に心地よいくらいで、昼は千早振神路山の麓、かたじけなさに涙をこぼした旅人が、夜は大楼の音頭の色香の艶なるに迷うて、町の巷を浮かれ歩いていますから、夜の賑いも、やっぱり昼と変らないくらいであります。
それも寒風の松並木のあたりへ来ると、グッと静かになって、昼の人出はどこへやら、常明寺から響く鐘の音が、ここばかりは陰に籠るかと聞きなされて、古市の町の明るい灯を見ながら、この鐘の響を聞くと、よけい、