Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「お若さん、子供があるって本当だろうか」

ぽつりと、思い出したようにいい出したのは、前棒のよりはやや年とったような声です。そうすると、前のが、

「ああ、そりゃ本当なんだ、なんでも今度は、その子供を引取って来るとかいってるものがあったよ」

「子供があれば御亭主があるだろう」

「そうだな、御亭主があっても子供はないのはあるが、子供があって御亭主のねえというのはあるめえ」

「では子供と一緒に御亭主さんも来るんだろう」

「そうかも知れねえ」

あたりまえならば、この会話に何か皮肉が入りそうなのを、極めて平凡な論理と想像で進行させてしまって、道はまた少しく勾配にかかるので黙ってしまいました。

「旦那様」

今度のは、後ろの駕籠屋が思い出したように、駕籠の中に向って言葉をかけました。そこで竜之助は、

「何だ」

「わたしどもは、あんまりお若さんが親切にあなた様の世話をなさるから、それで、お若さんはあなたのおかみさんだろうと、もっぱら噂をしておりましたよ」

「それは有難いような、迷惑なような話で、拙者は世話にはなったけれども、縁はないのです」

「それでも、お若さんは、大へんあなたに御恩になったように申しておりましたよ」