Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「いつ、俺らが欲しいといったい? 俺らは物貰いに来たんじゃねえんだぜ」

こういって軽く地団太を踏んで見せますと、米友の笠の下から、穴のあくほどながめていた絵師は、何に感心したか、小首を捻りながら言葉を重くして、

「君」

「何だい」

「君にちっとばかり頼みたいことがある」

と改まったいいぶりで、なお米友の面を穴のあくほどながめて、

「ぜひお願いだ!」

絵師はむしろ歎願のような声。それを米友は焦れて、

「なんだってお前、俺らの面ばっかりながめてるんだ。第一、人の面を、ちょっとぐらいならいいが、そう長くながめているのは失礼に当るだろう」

絵師はその時、わざわざ頬かむりを取って、

「悪く取ってもらっては困る……拙者は、君の面に見惚れて、つい失礼しちまったのだ」

「ナニ?」

「怒ってはいけないよ、君」

絵師は落着いているけれども、米友はムカムカと来ました。いつぞや金助という男は、この手で米友を嘲弄して、両国橋から大川へ投げ込まれたことがある。絵師もまた危ない刃渡りをしているようなものです。

「君、拙者は君を侮辱するつもりでいうんじゃないよ、他人を侮辱するには自分の現在というものが、ごらんの通りあまりに貧弱だ。