Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
主膳が、酔眼にもしかと認めたその人影は女。それも江戸の町家、或いは大名の奥などで見るような娘ぶり。
この家に娘はないと聞いていた。してみれば今のは?
主膳はその疑問を解き終らずに席へ戻って、改めて盤に向う。
数番の勝負終って後、主膳もしかるべきところで切り上げて帰ろうとする。
そこで隠居は、秘蔵の刀剣や書画骨董を取り出して見せる。
やがて主膳は隠居に辞儀をのべ、思わず酩酊した申しわけをすると、
「お口に叶いましたならば、別に一樽を献上仕る」
隠居は別に美酒一樽を仕込んで僕に持たせ、主膳を送らせることにしたのは出来過ぎです。
断わっても聞かれず、月はありながら提灯を持った僕に、別酒一樽を持たせて大平山神社の社を、左へ取って、石積みの鳥居を潜る時分、酔いが廻って主膳は陶然たる心持になりました。
ちょうど、向うから無提灯で来た旅の者――月夜ですから無提灯が当り前ですけれども、それにしても旅慣れた姿、この間道をよく登って来る近在の百姓とも思われません。
すれ違った時に先方の合羽が、
「モシ、失礼でございますが、神尾の殿様ではいらっしゃいませんか」
「なに、そちは誰じゃ」