Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
別に、駒井自身は、科学者としての立派な見識を持っている。その見識によって迷信屋を憐れむだけの雅量をも備えているつもりである。あらゆる信心は、みな迷信の一種に過ぎないものとの観察を持っている。法華経を読めといわれて読んでみたこともあるし、耶蘇の聖書も、その以前、一通りは頁を翻えしてみたこともあるにはあるが、全然、空想と誇張の産物で、現実を救うに夢を以てするようなもの――要するに、過去と無智とが産んだ正直な空想の産物と見ておりました。
物と力を極度に利用する西洋の学問に触れてから、一層その念が強くなって、神仏の信仰は文明と共に消滅すべきもの、消滅すべからざるまでも識者の問題にはならないはずのものと信じていたところ、その西洋諸国が一斉に、耶蘇というエタイの知れぬ神様の生誕を紀元とするという矛盾に、なんとなく、足許から鳥が立った思いです。
駒井甚三郎が、耶蘇の教えを、もう少しまじめに研究してみようとの心を起したのは、この時からはじまります。
翌朝、例によって金椎の給仕で――この少年は支那料理のほかに、多少西洋料理の心得もあります――朝餉の膳に向うと、造船小屋の方でしきりに犬の吠える声。